Sunday, November 05, 2006

凍える荒野の死闘 Prologue

 惑星デゴ、ボルスノ基地。ロボもまばらなその基地に、任務が飛び込んだ。新たな土地の調査。非常に単純且つありふれた任務で、それに振り向くロボは少ない。
「今までも数え切れないぐらい行われてきたからな。偵察兵に任せれば良いものの」
 巨大な漆黒の躯を持ったロボは呟いた。その風体、装備された数々の武装から、一見すると天使軍には見えない。
「ですが……悪魔軍に対抗するには、必要な任務です」
 黒いロボと比べるとやや小柄な、真っ白な装甲とそれに相反した黒い翼を持つロボは言う。
「仕方ねェ、奴らも俺も、強い敵と戦うことしか頭に無ェって訳だ……天使軍が聞いて呆れるな」
 やや自嘲的な口調で言い放つと、目線は任務書から蒼い空へと向いた。雲ひとつ無く透き通った空は、この星の寒さを象徴するかのような冷たい色だった。
「マルコシアス、好き嫌いはいけません」
「解ってるさ、アラ・ネラ」
 白いロボ、アラ・ネラの言葉に即答するマルコシアス。白と黒、対照的な二機は一見して仲が悪そうな印象を持つが、実際には同じコマンドーチームに所属して共に戦うほどの仲である。
 ふと、マルコシアスについで空を眺めていたアラ・ネラが何かに気づく。
「荒れますね……ガレージに戻りましょう」
「ああ、しかし奴らは大丈夫か? 調査は人員不足で殆どがソロで行動してるらしいが」
「無事に戻ってくることを信じるしかありません。……テストゥッギネも、無事だといいのですが」

 一時間と経たぬうちに、吹雪がデゴを覆った。デゴは、極寒の惑星という厳しい環境の中、独自に進化したモンスターたちが生息する。又、調査も最近始まったばかりということでつい先日まではある程度の実力を持ったものでなければデゴに来ることは叶わなかったが、調査もある程度進むようになって、ようやく殆どのものに対しデゴを訪れることができるようになった。
 調査任務に就いたテストゥッギネは、吹雪を洞窟の中で凌いでいた。彼は高い機動力と躯の小ささを利用し、調査偵察を中心に活躍してきた、コマンドーチームの最古参である。
「だいじょ…で…か?」
 通信機から、オペレーターの声が届いた。かなりノイズは乗っているものの、通信ができないよりは遥かに楽観できる状況である。
「心配いらないよ、僕は無事だ」
 と返した。少しして、通信機から安堵の声が漏れる。殆どノイズで掻き消されていたが、彼は聞き逃さなかった。こちらからも正常に通信できるようで安心したがその矢先に通信を切られた。良く考えてみれば、他の機体にも応答を求めなければならないのだから当然か。その後、あまりにも暇だったので、
「マルコやカヴァリエールだと、この穴に入るだけでも苦労するだろうなぁ」
 などと言いながら吹雪が止むことを待つのみだった。カヴァリエールは、テストゥッギネの所属するコマンドーチームの中でマルコキアスの次に大きいロボである。この洞窟に入れるのは、せいぜいアラ・ネラが限界といったところだろうか。
「まったく、ツイてないなぁ」
 テストゥッギネは、元々小さい躯を更に縮こまらせてこぼした。

 空は一段と暗くなった。まだ止まないのか、と思いながら、この穴は割と暖かいからいいか、と思いながら寝てしまった。

 次に目を覚ましたときは朝だった。すっかり吹雪は止み、陽光に晒されて輝く白銀の大地はすこし盛り上がっていた。
 まだハッキリしていない意識の中、昨日のノイズがすっかりなくなった音で通信が入った。
「テストゥッギネ! 近くから救援信号が出ています!」



 初期段階で思いっきりストーリーを履き違えながら凍える荒野の死闘。ストーリーに軽くアレンジを加えて一本の短編小説にしてみることにする。今のところの問題は名前を打ち込むのが妙に面倒臭いこと(特にテストゥッギネ)と状況に応じたSSを現時点では撮影できる余裕がなかったことか。

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